新玉ねぎのとう立ちについて
2025年春、半年間大切に育ててきたほとんどの新玉ねぎが「とう立ち」してしまいました。こんなに多くの玉ねぎがとう立ちしたのは、6年間で初めてのことです。

「とう立ち」とは、野菜の花芽ができてきて、たねを残す準備に入った状態を言います。昨年は10月になっても厳しい暑さが収まらず、玉ねぎの苗が大きく育ちすぎてしまったことが理由の一つと考えられます。

※玉ねぎは、通常「とう立ち」せずに、葉の倒れた時が収穫時期です。

この状態では、通常の野菜の規格ではもう廃棄になってしまいます。花に栄養をぐっと集中させていくため、いわゆる「玉ねぎ」の部分はやや固くなるからです。たなまち農園でも、昨年まででしたら、玉ねぎのお届けを中止して皆さまにお詫びの連絡を入れ、泣く泣くトラクターで土にすき込んでいるところでした。

でも、たなまち家では、「とう立ち」で固くなった部分を取り除いて、大切に食べています。「とう立ち」するということは、玉ねぎたちに、次のいのちを繋ごうという、強い生命力があったという証拠でもあって、私たちは大切に頂きたいと思います。もちろん、昨年までの玉ねぎと味は違うかもしれませんが、甘くて、美味しかったです。
「とう立ち」は「商品じゃない」というのは、数十年の短い期間に人間が決めた一つの規格です。たなまち農園は「消費者と生産者の垣根を超えたい」という想いを胸に、勇気を出して皆さまに、世の中に流通しない「とう立ち」の玉ねぎをお届けすることに決めました。


赤ペンで示している部分は、「とう立ち」で固くなってしまった部分なので、取り除いてお召し上がりください。
「とう立ち」した玉ねぎのお届けは、前例のない試みとなりますので、たなまち家でも引き続き食味の確認を続けていきます。会員の皆さまも、気になる点やお気づきの点がございましたら、ご遠慮なくお知らせ頂けますと幸いです。